ベトナムのIT産業が近年飛躍的な成長を遂げており、ベトナム情報通信省が昨年発表したデータによると、IT産業の総売上高は9兆円を超えており、内訳をみると、ハードウエアの売上が全体の8割以上で、残りの2割弱がソフトウェア産業の売上となりそうです。
国内のIT産業の発展に伴い、IT人材需要も急増しており、直近の3年間でみると、その需要が2倍程度まで増大すると見られます。
では、ベトナムのIT企業におけるITエンジニアの給与はどうなるかを見てみましょう。
ベトナムでは、エンジニア、IT系の職種の給与がほかの職種よりも高い傾向にあります。エンジニアの初任給が$338〜$525に対し、その他職種、例えば工場勤務なら$300ほどであることからも、エンジニアは人気があり、憧れの職業とされていることを感じられます。
上記のイメージ(TopDevより)だと
CTO $5,709
テクニカルディレクター/エンジニアリングリーダー $4,109
ソリューションアーキテクト $3,981
テクニカルアーキテクト $3,883
プリンシパルエンジニア $3,722
プロジェクトマネージャー $1,799
プロダクトマネージャー $1,114
機械学習エンジニア $2,209
ブリッジエンジニア $1,998
DevOpsエンジニア $1,894
データエンジニア $1,711
ゲームエンジニア $1,202
アプリ(モバイル)エンジニア $1,178
バックエンドエンジニア $901
フロントエンドエンジニア $897
やはり給与が一番高いのはCTOとなります。日本でも同じような傾向になると思いますが、IT業界においてマネージャ・リーダー職は給与が高くなります。この給与だと、ベトナムではかなりリッチな暮らししています。
一方、オフショア開発でメインであろうWebアプリケーションのエンジニア、上記ではバックエンド、フロントエンドと記載しているエンジニアは1000ドルを超えない結果になりました。
ですが、ITエンジニアの初任給と経験ごとによりも給与が変化していきます。
見てみると、
新卒〜3年目くらいまで $338〜$525
3〜5年目 $525〜$1,161
5年目以降、管理職になる人が増えるため、ベトナム人エンジニアの平均給与は2種類用意されています。
①管理職(プロジェクトマネージャー系)
+ 5年目以降 $1,355〜$2,160 + 10年目〜 $2,150〜
②管理職(専門・エンジニア系)
+ 5年目以降 1,550 〜 $2,355 + 10年目〜 $2,550〜
日本の初任給くらいの給与をもらうためには、10年近い経験が必要になりそうです。
ベトナムで、転職をして給与を上げていく人が多いので、一つの会社に10年いるという人は少ないです。
エンジニアの平均給与を見てみましたが、まだまだ日本より低い状態です。日本のエンジニアの給与も上がってきていることを考えると、ベトナムはまだまだオフショア開発先として有力な候補に留まりそうです。